チームビルディング用語集

組織変革3:変化への抵抗と対応方法


組織・メンバーは、どちらも変化に抵抗する。ある意味でこの抵抗は建設的であり、行動にある程度の安定と予測可能性をもたらしてくれる。しかし、適応と進歩を阻むという欠点がある。

変化に抵抗する理由として、次が挙げられる:
まず、個人が変化に抵抗する理由は:
1.習慣、
2.安全(という感覚が脅威にさらされる)、
3.経済的要因(変化によって収入が減るのではないかという不安)、
4.未知に対する不安、
5.選択的情報処理(人には、自己の認知を変化させないように、聞きたいことを聞くという性質があるため、変化がもたらす潜在的利益を無視してしまうこともある)である。

また、組織が変化に抵抗する理由は:
1.構造的慣性(安定を生む内在的なメカニズムが組織には存在する)、
2.組織を構成するサブシステムの一部だけ変化させようとしてしまう(他のサブシステムを変えずに一つのサブシステムだけを変えることはできない)、
3.グループの慣性(個人が変えたいと感じていても、グループの規範が拘束することがある)、
4.専門性への脅威、
5.既存の権力関係への脅威、
6.既存の資源配分、である。

以上のような変化への抵抗に対して、変革のエージェントが用いることのできる方法として、次が挙げられる:
1.教育・コミュニケーション、
2.変革決定のプロセスに参加させる、
3.カウンセリングや研修等のサポート、
4.交渉する、
5.操作する(密かに影響を行使するために、事実をゆがめたり、発表を控えたりする。発覚すれば、変革エージェントの信用は失墜し、逆効果となる)、
6.強制する。

参考文献:『組織行動のマネジメント』ステファン・P・ロビンス著、高木晴夫訳