従来の変革手法と比較すると、組織開発における変革には、ワークチームと参加、文化の変革を重視し、行動科学を活用する等の特徴がある。
変革を実現するためのインターベンション(介入)として、1.構造に着目したもの、2.タスクに着目したもの、3.人に着目したもの、がある。
構造的インターベンションでは、組織を有機的に平等にすることを重視し、組織構造の再構築や新しい報酬システムの導入、組織文化の変化に取り組む。
タスクにかかわるインターベンションでは、従業員が行うタスクや、その遂行時のプロセス・ツールの変革に着目し、タスクの再設計、システムの導入等を実施する。
人に着目したインターベンションでは、コミュニケーション、意思決定・問題解決プロセスを通して、組織メンバーの態度と行動を変革する。
具体的には、次の方法が挙げられる:
1.感受性訓練(グループの相互作用の中で、行動を変化させる方法。他者への感情移入の能力を高め、傾聴スキルを改善し、よりオープンな態度を身につけ、個人差への寛容性を増し、対立の解決スキルを改善する。グループの団結を強め、非生産的な個人間の対立を減らすことができる)、
2.調査のフィードバック(メンバー間の見解の相違を発見し、解決するためのアンケート式の調査技法)、
3.プロセス・コンサルテーション(業務プロセスに関して発生する個人間の問題を診断し、解決する)、
4.チームビルディング(相互作用を活用しながら、メンバー間の信頼を高め、オープンな態度を形成する。典型的な例として、ゴール設定や対人関係の開発、役割分析とチームプロセス分析などがある)、
5.組織間開発(グループとグループの間に存在する非生産的な対立の改善のために、グループ同士の態度や認知の変革を追求すること。代表的なアプローチとして、双方が互いをどのように見ているかリストアップして、リストを共有し、話し合う方法がある)。
参考文献:『組織行動のマネジメント』ステファン・P・ロビンス著、高木晴夫訳