リーダーシップは、リーダーの特性や好ましい行動を考えるだけではとらえきれないとして、状況的影響まで検討した理論。
状況要因として、タスクのタイプ、上司のスタイル、集団規範、時間的な制約、組織文化などを考慮している。
代表的な理論として、次が挙げられる:
1.フィードラー理論(状況がきわめて好ましくないか、逆にきわめて好ましい場合には、タスク指向型リーダーが高い業績を残し、それ以外の適度に好ましい状況では、人間関係指向型リーダーの方が高い業績を上げるとする)、
2.パス・ゴール理論(リーダーの職務は従業員(フォロワー)の目標達成を助けることである、という前提を置き、その上で、リーダーの行動が部下に受け入れられるのは、それが即時的または将来的な満足をもたらす場合であり、リーダーの行動が動機づけとなるのは、1.部下に効果的な職務遂行による満足を求めさせる場合、および、2.効果的な職務遂行に必要なコーチング、指導、支援、報酬を提供する場合である、とする。
具体的なリーダーシップの形として、指示型リーダー、支援型リーダー、参加型リーダー、達成志向型リーダーの4つの形を挙げている。そして、タスクの種類や部下の特徴に応じて、最適なリーダーの行動は変化するとされる。例えば、明確なタスクを実行している部下には支援を、あいまいな場合は指示を、豊富な経験を持つ部下には支援を、自分で決めたがる部下には参加型スタイルを、といった具合である)、
3.リーダー参加型モデル(さまざまな状況に応じて、意思決定にどのような形でどの程度参加すべきかを示した研究で、7〜12の状況と5つのリーダーシップスタイルの組み合わせによって表現される。非常に複雑で、日常的使用が難しいという難点がある)。
参考文献:『組織行動のマネジメント』ステファン・P・ロビンス著、高木晴夫訳