チームビルディング用語集

集団の意思決定と個人の意思決定


個人による意思決定のメリットは、1.スピード、2.責任の明解さ(アカウンタビリティ)、3.一貫性である。一方で、集団の意思決定には、より完全な情報や知識、多様な見解が集まる、解決策がより多くの人に受け入れられる、等の長所が挙げられる。

しかし、集団の意思決定には、次のような弊害が生じることもある:1.グループシンク(集団浅慮とも言う。凝集性が高い集団の中において集団内の合意を得ようと意識するあまり、意思決定が非合理な方向に歪められてしまう現象を指す)、
2.グループシフト(集団傾向とも言う。集団討議後になされる集団の反応の平均が、討議前の個々人によってなされた反応の平均よりも、同一の方向により極端になって表れる現象を指す。
リスキーシフトとは、より危険性の高い決定になること、コーシャスシフトとは、より慎重な決定となることを言う)。
グループシンクを防ぐためには、まず、凝集性の高い集団である際には、マネージャが特に注意し、メンバーの参加を促す等のオープンなリーダーシップスタイルを採用し、外的な情報源からの孤立を避け、また、時間的な制約を感じさせないようにする等の方法がある。
また、次のような手法も優れた手法として知られている:1.ブレーンストーミング、2.名目集団法(各自がアイデアを紙に記載し、一つずつ発表し、全てのアイデアが発表され記録されてから議論を行い、各メンバーが黙って個別に順位をつける)。

参考文献:『組織行動のマネジメント』ステファン・P・ロビンス著、高木晴夫訳