チームビルディングに役立つ技術

チームビルディングに役立つ技術(5)

前回チームビルディング実施前の簡単なチェックをご紹介しました(詳しくは、リンク先をご覧ください)。

今回は、チームビルディングに役立つほめる技術の効果(目的)をご紹介したいと思います。

【構成(目次)】

►  チームビルディングに役立つ「ほめる技術」とは
►  注意点1(チームビルディングに役立てる前に)
►  ほめる技術が登場した背景
►  チームビルディング実施前の簡単なチェック
►  チームビルディングに役立つほめる技術の効果(目的)(今回は、こちらです!)
►  チームビルディングのための「ほめる技術」
►  チームビルディングのためのさらに実践的な「ほめる技術」
►  注意点2:チームビルディング実践編

【ほめる効果】

チームビルディングに役立つ「ほめる」という行為には、大きく次の4つの効果があると、私たちは考えています。
►  自信を与える
►  やる気を引き出す
►  信頼関係を構築する
►  成長させる

チームビルディングの現場では、よくチームの状態を、パフォーマンスとメンテナンスという2つの側面から診断することが行われますが、その区分でいえば、
►  パフォーマンス:成長させる
►  メンテナンス:自信を与える・やる気を引き出す・信頼関係を構築する
ということになります。

ここで、チームビルディングに役立てる前の注意点1として、すでにご紹介したポイントを思い出していただければと思います。

それは:ほめるは万能薬ではない
ということでした。

ほめるには上記の、それぞれわりと広く解釈できる効果があり、チームビルディングに限らず、職場の様々な場面でうまく活用することが可能です。しかし、やはり万能ではありませんので、ほめてさえいれば、チームビルディングできる、と考えてしまうことには問題があろうかと思います。

【チームビルディングに役立てることができる効果】

それでは、ほめるが持つ効果について、主にチームビルディングにどう役立てることができるか、という視点で詳しくご紹介していきます。

►  自信を与える

ほめることで、メンバーやリーダーに自信を与えることができます。
自己意識というものは、他者からの情報によって形成されますので、自尊心もやはり他者との関わりの中で生まれるものです。チームメンバー同士で、互いの長所を選択的に知覚するチーム風土があるチームでは、お互いに必要とされている・期待されている、と感じるメンバーがより増え、自信を持って働くことができる環境が整ってきます。チームビルディングの基盤ということもできます。

►  やる気を引き出す

チームビルディングのテーマにもなることが多い、「やる気」ですが、そもそもやる気とは何でしょうか。最近の学説では、やる気というものは、生来的に人の中に存在しているもの、というよりは、周りとの関わりの中で生まれてくるもの、と捉えられています。
この考え方からは、やる気がない方がチームに存在するとき、それはその方個人の問題というより、その方のおかれている環境が、その方にとってやる気が出ない状態である、と考えていきます。

やる気とは、目的・目標を実現したいかという魅力と、実現することが可能かという実現可能性のバランスで決まると言われます。ほめることで、自己意識を高めることは、実現可能性に関する認識を高め、やる気を引き出す一助となるのです。

►  信頼関係を構築する
一般にチームビルディングといわれるときのイメージと、この効果はもっともリンクしているかもしれません。人には、「自分を好きな人を好きになる」という好意の返報性という性質がありますので、チームメンバー同士でほめることで、互いに好意を持つプラスの循環がはじまり、チームビルディングにつながるということがあります。

►  成長させる
チームビルディングは、チームビルディングそのものが目的ではありません。チームとして達成したい目的や、求められる責任をいかに効果的に達成するのか、そのための手段の一つです。
チームとしての機能を高めるために、メンバーの、あるいは、チーム全体としての成長を遂げることは重要になります。

成長を考えると、人が現地点から前に進むには、自信とやる気が必要になってきます。これは、仕事を始めたばかりの新人であっても、十分な経験を持つ経営者であっても同じです。自信とやる気の両方に効果がある「ほめる」を活用することで、チームの成長を促し、チームビルディングにつなげていくことができます。

またチームビルディングの観点からは、チームをどの方向に成長させていくのか、というときに、「ほめる」=長所を選択的に知覚する、ことによって、チームの強みに着目をし、チームの強みを引き出していく、ことができます。いわば、フィードバック効果ということになりますが、チームや個人が何か行動を行い、その結果が自己にとってプラスと感じられるときに、その行動が増加しますので、より強みを強化する方向にチームビルディングされるということができます。

以上、ほめる効果を主にチームビルディングの観点でご紹介しました。
次回は、チームビルディングのための「ほめる技術」をご紹介します。