チームビルディングに役立つ技術

チームビルディングに役立つ技術(8)

前回チームビルディングのためのさらに実践的な「ほめる技術」ご紹介しました(詳しくは、リンク先をご覧ください)。

今回は、注意点2:チームビルディング実践編をご紹介したいと思います。

【構成(目次)】

►  チームビルディングに役立つ「ほめる技術」とは
►  注意点1(チームビルディングに役立てる前に)
►  ほめる技術が登場した背景
►  チームビルディング実施前の簡単なチェック
►  チームビルディングに役立つほめる技術の効果(目的)
►  チームビルディングのための「ほめる技術」
►  チームビルディングのためのさらに実践的な「ほめる技術」
►  注意点2:チームビルディング実践編(今回は、こちらです!)

【注意点:チームビルディング実践編の前に】

注意点:チームビルディング実践編、をご紹介する前にお伝えしたいことがあります。それは、「ほめる技術を活用する場面とは、ミスを起こしやすい状況である」ということです。

「ほめる」は、本来自然なコミュニケーションのひとつです。従って、皆さんも、ほめたい相手のことはすでに自然にほめているのではないでしょうか。それを、チームビルディングのため、職場の雰囲気をよくするため、様々な目的のために、あえてほめよう、とする状況は、いつの間にか、自然な「ほめる」を超えた技術・コツを必要とする状況であり、誰しもミスしてしまいやすい状況なのです。

【注意点:チームビルディング実践編1】

チームビルディングなどを目指して、自然なほめるを超えてほめようとしたときに、もっとも起きやすいミスが、「わざとらしく見える」「不自然に見える」という状態です。原因としては、相手にとってほめてほしいポイント、ほめられて嬉しいポイントを外してしまっていることにあることが多いようです。

しかし、このミスはもっとも多いミスではありますが、まだ可愛げがあります。「あ、ほめようとしているんだな」「チームビルディングしようとしているのかな」「でも、不自然だなあ」程度で済むことが多いからです。

対策としては、「聞く」をしっかりとやりましょう。事実に基づいた選択的知覚をきちんと行うことで、解消することができます。

【注意点:チームビルディング実践編2】

チームビルディングなどを目指したときに、より深刻なミスとして挙げられるのが「コントロール思考」という状態です。相手を自分の都合の良いように動かそうというコントロール思考があると、部下(相手)は敏感に察知しますし、敬遠され、チームビルディングにせよなんにせよ「こうしたい」という状態から程遠い結果に終わります。

もしも、ほめることによって相手にこうしてほしい、ということがあるのであれば、ほめるのではなく、「頼む」という行為を選択してみましょう。また、ほめることで自分の嬉しい気持ちを伝えたいのであれば、素直に伝えてみましょう。率直さ、が多くの状況では効果的です。

コントロール思考を避けるためには、「なぜ、ほめるという手法を使いたいのか」という目的意識について考えることが効果的です。さらに言えば、その目的があくまで、その人のためだ、というところを明確にしておくことが重要となります。ここで、チームビルディングに役立つほめる技術の効果でご紹介した「ほめる」効果を思い出していただくと、成長させる・自信を与える・やる気を引き出す・関係を構築する、のどれもが、相手のためにつながりますので、それらの効果を狙う以外で「ほめる」を使わない、と割り切るのも一手でしょう。

さらに、コントロール思考を見ていきますと、意外に奥が深いことがわかります。相手を自分の都合の良いように動かそうというのがコントロール思考ですが、相手を自分の利益になるように動かそうとする、ということはもちろんのこと、意外ですが、自分の利益のためにコントロールしている意識はないけれども、広い意味でこのコントロール思考と同じミスに陥りやすいのが、「予定調和型」の上司の行動パターンです。

予定調和型の行動パターン下での「ほめる」では、着地点が見えていないことへの不安から、落とし所を考えて管理を行います。「ここに落とし所をもっていきたい」という意識が強く、たとえその「落とし所」自体は相手のためになることだとしても、型に押し込まれている印象を受けるのです。このパターンが原因で、先の注意点である「ほめかたが不自然」になる場合もあります。

対策としては、イノベーション型の行動パターンを知っておく、ということがあげられます。これは、その先に何があるか分からないが、きっと良いことだろうと信じながら進む、という行動パターンです。ほめるという場面では、相手のある点をほめた結果がどうなるかわからないながらも、ただほめる、ということになります。一見進捗管理を手放していそうに見えるこの行動パターン、仕事の進め方全般に関して取り入れることはおそらく非常に難しいでしょうから、まずは「ほめる」程度ならリスクも少ないとわりきって、取り入れてみてはいかがでしょうか。

以上、チームビルディングに有効な技術として「ほめる」に関連するコラムを掲載させていただきました。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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